パニック障害は100人におよそ1人が発症するといわれています。
誰でもこの病気にかかる可能性があり、特に几帳面な方や完璧主義な方、責任感の強い方が発症する傾向にあるようです。
ある日突然前触れもなく、動悸や息苦しさ、めまい、吐き気といったパニック発作に襲われます。
特に、エレベーターや満員電車、高速道路での車内など、逃げ場のない空間で生じることが多いようです。
原因としては、交感神経が興奮して、アドレナリンなどの神経伝達物質が過剰に分泌されるこで発作が引き起こされるとされています。
このような発作が予期せぬ時に突然起こるので、「また発作が起きるかもしれない」という不安から外出することができなくなることもあります。
そんなときにオススメなのが、「オレンジ・スイート」の精油(エッセンシャルオイル)を使用したアロマテラピー(アロマ療法)です。
「オレンジ・スイート」にはアドレナリンの過剰な分泌を抑える働きがあるとされています。
もし発作が起きてしまったら、ボトルから直接香りを嗅ぐか、ティッシュに精油を2~3滴垂らして鼻に当てて深呼吸するのがオススメです。1~2分嗅ぐようにしましょう。
他にも、「真正ラベンダー」や「イランイラン」の精油もオススメです。
真正ラベンダーには、鎮静作用のある「酢酸リナリル」が多く含まれており、リラックス効果をもたらしてくれます。因みにラベンダーには、「ラベンダー」「ラバンジン」「スパイクラベンダー」など色々な種類がありますが、酢酸リナリルの含有量が少ないため、「真正」がつく「真正ラベンダー」がオススメです。
※酢酸リナリルは35%以上含有していると鎮静効果が期待できるとされており、この条件に適合する精油が「真正ラベンダー」です。
好き嫌いは分かれますが、エキゾチックでオリエンタル調の香りの「イランイラン」には「不安感を取り除く」作用があるとされています。この精油は「幸福感を与えるくれる香り」とも言われています。更にホルモンバランスを整えてくれる作用もあります。どちらかというと、発作が起こりそうで不安な状態な時にオススメです。
また、真正ラベンダーとオレンジ・スイートを2:1の割合でブレンドした精油もオススメです。単独使用よりも香りに深みが増し、それぞれの良さが引き立つ香りです。因みにこのブレンドは近年、脳の若返り(認知症予防または改善)の香りとして有名です。
精油のボトルはとても小さいので、常にバッグに携帯することができ、症状が現れたときにさっと取り出して香りを嗅ぐことができます。お守りのようにポケットに忍ばせておいてもいいかもしれません。
一つ注意点として、精油は蓋を開ける度に酸化してしまい、特に柑橘系の精油は酸化しやすいという欠点があります。開封後は、柑橘系精油は6カ月、その他の精油は1年を目安に使い切りましょう。それを超えると成分が酸化して刺激物質に変化したり、香りが変化してしまい、期待する効果が得られなくなる可能性があります。
症状が重い場合には、薬物療法との併用が必要ですが、比較的症状が軽い方には、精油のみの使用でも十分効果が期待できますので、パニック発作でお悩みの方は是非お試しください。